書評:キャッシュ生活、1年やってみた (美崎栄一郎氏著)

書評

最近読んだ本で面白い本があったので、まとめてみました。

本の名前は「キャッシュ生活、1年やってみた」(美崎栄一郎氏著)

参考になると同時に、涙ぐましくかつ、こだわりを感じた1冊。前半は自らの体験談。後半はキャッシュレスの今後の自論、展望が述べられており、なかなか納得させられる箇所も多く、楽しく読めました。

私も今年の初めにi-phoneを機種変更し、付録?として、paypayのアプリがついていました。初めはそれほど関心が無かったのですが、2月の中頃から、5%還元などの施策の影響で、使い始めた矢先、こちらの本を見つけました。きっかけは、何かの書評だったような・・・

本の中身で気づかせてくれたところは、博物館や美術館ではキャッシュレス決済があまり、進んでいないこと。言われてみれば、そういうところも多い気がします。カード決済のところは割とあると思いますが、スマホ決済のところはあまり見かけません。こういうところが普及すれば、外国人観光客の方の消費の仕方も変わってくると思います(今はそれどころでは無いですが)。paypayなんかはQRコードを簡易に設置できるので、また、拡大していくんでしょうね。

とにかく、体験談のところは、著者の執念を感じられ、1年間で現金を利用した回数が20回にも満たないということで、知識があり、計画、準備を行わないと、なかなかハードルが高いと感じた次第です。著者の努力に脱帽。

後半は、今後のキャッシュレスの展開について、著者の考えが述べられていますが、1年間のキャッシュレス生活をされた経験と、元々のお仕事の経験(某メーカー社の商品開発?)により独自の考えを述べられています。また、決済会社各社の考え方、展開についても述べられています。

私もキャッシュレス決済については、レジでのスピードが基本的には早い、また、ポイントが貯まる、ちょっとした買い物の時には財布を持たずに出かけられるという利便性を感じているので、キャッシュレス比率は確実に高まりました。然しながら、いきつけの飲食店さんなんかは、まだまだ現金決済のみなので、お店側の現金に対する信用も高いです。

また、利用者側、日本の消費者の現金に対する信用、国、中央銀行(日本銀行)に対する信用も諸外国に比べて高い(色々な理由があると思う、歴史的経緯、文化など)ので、現金決済が諸外国に比べてある程度シェアは維持すると思います。

そもそも、外国でキャッシュレスが広まった理由は、現金(紙幣)に対する信用(→偽札の横行)や、決済インフラの未成熟(銀行が少ない等)ですものね。日本の場合は、一応?それらは揃っているので、どうなんでしょう。ある程度は、現金取引が残ると思います。

総論。決済の方法から、未来を読み解く(ちょっと大袈裟か)。もしくは生活を考えるという視点を持てたのは、この本と出会えてよかったのかなと。現金を取り扱う機会は確実に減っていくので、ATMの数も減っていくでしょう。街中の公衆電話が減っていくのと同じ感覚で減っていくのでしょうか(現金を使用する人々は急激に減らないので、公衆電話が消えていったペースよりは遅いと思う)。目を引く、本の題名でしたが、色々と考えさせてくれるヒントをいただいた本でした。

興味のある方は、是非ご一読を。


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